ブログ:修理・メンテナンス

ゼファーχの不調修理

■ 2025-09-20 14:02

福岡市城南区のバイクショップStrategyの前田です。

まだまだ日中は暑い日が続きますが、午前中と夜は涼しくなってきましたね。早起きのツーリングがしたくなる今日この頃です☆

今週はカワサキ/ゼファー400χのエンジン不調修理のご依頼を頂きました。

しばらく乗っているとエンストをすると言った症状です。



きれいなゼファーχですね。

症状だけ聞くと、整備士経験者はまずはレギュレータやタペット調整を疑うと思います。ですが、しばらくエンジンをかけて症状をだしてみるとエンストした後にセルが全く反応しませんでした。他の灯火類などは問題なく作動しています。

そしてエンストがしばらくするとセルが回る様になり再始動可能でした。

こうなってくると疑うべきは別の箇所になってきますが、なかなかイレギュラーよりな症状です。症状をから色々と想定して診断箇所の優先順位を決めて、症状が出ている時の電気の流れを追っていきました。



すると原因は左ハンドルスイッチの延長ハーネスのキルスイッチ端子の緩みだった事が判明しました。(写真は延長ハーネスを再作成した物です)

おそらくですが、緩みにより端子同士の接点が少なかった事で、振動による接点不良か熱による抵抗値の増加による導通の不良なのかと思います。

電気の不良による故障は、配線が被膜の中で断線していたり、錆びていたりと外見では判断が難しい事もあるのでテスターを使いながら地道な診断が必要になる事が多いです。



原因さえ分かれば、後はカプラから端子を引き抜いて一本一本端子を新品に交換するだけです。キルスイッチ以外の端子もカシメ方が甘かったので作り直しました。

こういった内容の故障診断は、診断を進めて行かないとお見積もりが難しいケースがありますので、ストラテジーでは診断費が伴う故障の場合は、事前にお客様にご説明する様にしております。

電装系の場合は診断費だけでも10000円以上、スーパースポーツのバイク等は電気の流れを追っていくのに外装を全部脱着しないといけない事もあるので、それを含めると50000円以上かかるケースもあります。

電装系で原因がこういった配線不良の場合は、その修理費用は1000円~6000円程になる事が多いです。ただ、充電系統の部品故障だと部品代で数万円、ECUの故障であれば10万円以上になってきます。ちなみにDUCATIなどの外車のECUは30万円くらいする事もあります…。

エンジン故障の場合でも全分解しないと特定できない不良もありますので、単気筒だと10万円以上、四気筒だと20万円以上もかかる事もあります。

最終的に修理する事になる場合は、工賃に含まれる計算にはなりますが、診断結果後のキャンセルは診断費をご請求させて頂く事になります。

診断費がかからない範囲で見させて頂く事や、診断費の上限を決めてから(※上限額で原因が判明しない場合でも診断費をご請求させて頂く事にはなります)診断に着手をさせて頂く事も可能です。

先ずはご相談だけでもお気軽にお問い合わせ下さい☆


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エイプ50の朝練整備

■ 2025-08-23 14:02

ストラテジーの前田です。

お盆も明けて、少しは涼しくなるかな?と思っていたら、湿度も気温も高い日が続きますね…。

ただ、昨夜の仕事帰りに歩いている時は少し涼しく感じました。

台風の影響もあるかもしれませんが、このまま涼しくなってくれると嬉しいですね♪



一昨日と、昨日の朝はスタッフの朝練に付き合わされました。笑

 

ご親戚のHONDA/APE50のエンジントラブル修理を時間外でいいのでやってみたい!っとの心意気です。

 

そろそろ勤務3年目の彼女ですが、お客様のエンジン修理を任されるのはまだまだ先です。

もっと早く色々と修得したいと、いつも元気でやる気満々のスタッフです。少しうるさいくらいに(^-^)



「サービスマニュアルを見ながら、やれるところは一人でやってみたい」との事だったので、付き合わされてると言ったのも冗談で、影ながら見守っています。

 

スタッドボルトリムーバーを使うのは初めて見たいだったので使い方をレクチャーしてあげました。

「女性整備士だからという理由でお客様に不安に思われていないか」と、いつも気にしています。

丁寧さがあり、整備中の疑問や不安をそのままににせずにきちんと解決できる人材は、整備士としての適性は◎だと思います。彼女はそのタイプです。いつも、むっちゃ質問多いです。笑

一般整備は安心して任せています。


そして、このHONDA/エイプ50の大きな原因はカムスプロケット取付不良による、バルブタイミングの狂いでした。

親戚の方がDIY整備でバルブを交換するまでは挑戦したらしく、その際に気が付かなかったのだろうと思います。

最悪の場合、シリンダーやシリンダーヘッドなどまで交換しないといけない事もあるので注意が必要です。


今回はシリンダーまでの分解でしたが、少しは成長に繋がったと思います(^-^)



そんな彼女はバイク競技のジムカーナでも九州チャンピオンの実績があるほどの腕前です☆

バイクの競技で技術や知識を突き詰めるタイプの人は、整備士としても例外でない方が多いと思います。

「お客様に安心してバイクを任せてもらえる整備士になりたい!」と言う、目標がある彼女を暖かい目で見守って頂けると幸いです。

まだ、若さゆえの至らぬ点はあるかと思いますが、何卒よろしくお願い致します。

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ハンターカブのエンジンO/H

■ 2025-08-09 17:51

ストラテジーの前田です。

 

今年は梅雨が短かった事もあり、普段落ち着いている時期も忙しくさせて頂いて、久しぶりのブログ更新になってしましました(>_<)

 

言い訳は良くないので、お盆明けからは週一更新を目標にしたいと思います!!

 

 

1か月前くらいにご依頼を頂いていた、CT125ハンターカブ125のカウンターシャフト交換になります。

 

お見積もりまでお時間に余裕を頂き、ありがとうございました。

 

Fスプロケットを取り付ける車種となりますが、この部品の交換はエンジンのクランクケースまで分解する必要があり、工賃だけでもかなりの金額になってしまいます(>_<)

 

Fスプロケットの取付不良が原因で損傷する事もありますので注意が必要です。



先ずはエンジンを降ろすのに必要な外装や配線などを外して、エンジンを降ろします。

それから、下の写真の様にエンジンの中身の部品を取り外して、ようやくクンターシャフトを外せる状態になりました☆

 

 

今回はカウンターシャフトの交換がメインの作業ですが、どうせならエンジンの内部もリフレッシュさせる為のO/Hもご要望頂いておりました。

ただ、このハンターカブは走行距離が約20000㎞とO/Hで交換するには微妙に悩む部品が多い距離です。

 

お客様のご予算もありましたので、全てをO/Hする訳ではなく、私の経験上で交換した方が良いパーツを点検計測させて頂きました。

 

 

クラッチスプリングの計測です。

 

こちらは規定値よりも縮んでしまっていたので要交換です。

 

 

クラッチディスクの厚みの計測です。

ディスクはまだまだ使用できる範囲ですし、交換する時もエンジンを全分解する必要もないので交換はなしでお話させて頂きました。

写真には取り忘れていたのですが、クラッチウエイトは交換致します。

 

ピストンやピストンリングも規定値内でしたが、私の判断で交換をおすすめさせて頂きました。

 

 

後はこのこびりついたガスケットを地道に剥がしていき、洗浄してきれいに組み立てていきます。

 

組み立てていく時のトルク管理も良いエンジンに仕上げる為には重要なファクターだと思います。

燃焼室内のカーボン清掃作業も行います。

お見積もり作成後にお客様にLINEでご連絡させて頂き、了承を得て部品の発注もおこないました。

 

 

今回分解してみて、このタイプのエンジンは50000㎞くらいで腰上やクラッチ廻りだけでもO/Hする良さそうだと感じました。

もちろん使用状況にもよりますが、代々受け継がれるカブのエンジンはやっぱり丈夫そうですね♪

 

ストラテジーではエンジン修理やボアアップkitの組付け等も多くご依頼頂いております。

エンジン整備は「ただ分解して組み立てる」だけなら意外に簡単なのですが、良いエンジンに仕上げるには「経験と丁寧な作業」を要すると思います。

 

九州運輸支局認証工場を完備しておりますので、排気量問わずにエンジンの分解整備も可能です。

 

バイクのエンジンO/Hのご依頼もお気軽にどうぞ(^-^)


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SR400のエンジン修理

■ 2025-05-16 13:26

おかげさまで、春先から忙しくさせて頂き

久しぶりのブログになってしまいましたm(__)m

桜が咲き、ゴールデンウィークが終わり、早くも梅雨となりそうですね。

この時期になると、エンジン修理や大掛かりなカスタム等のご依頼が増えてきます♪



このSR400もエンジン異音の修理で、エンジンをおろして分解中です。

シングルエンジンはマルチエンジンに比べると、スムーズにエンジンがおりました。

とは言っても、私は腰を痛めていたのでスタッフに任せて見守っていました( *´艸`)アリガトネ

九州運輸支局認証工場ですので、排気量問わずにエンジン脱着も自社工場でおこなえます☆



エンジン始動した時から、エンジンがチューニングされている様に感じていましたが、はやり色々と手が加えられてそうです。

オーナー様はエンジンは触っていないそうなので、以前に変更されていたのだと思います。

プラグは真っ黒だったのに、ピストンはすごくキレイでした。

 

シリンダーの状態も問題なさそうです。

 



今のところ腰上廻りは問題なさそうですので、お客様とご相談してからクランク廻りの分解になるかと思います。

お客様も気に入って乗られているSR400のようですので、修理でご依頼となればしっかりと作業を進めて行きたいと思います。

エンジンO/Hやチューニングは、他作業の合間や残業でおこなっておりますので、お時間頂ければ喜んでご対応させて頂きます。

ご依頼お待ちしております♪



もちろん重整備以外の作業も毎日励んでおります!

ヤマハの原付スクーター/JOGのタイヤ交換や



常連様のHONDA/CT125/ハンターカブのRチューブ交換

ご新規様より、ご依頼頂いたHONDA/CB400SF-REVOの車検整備



こちらもご新規様でWebikeピットインでご依頼頂きました

YAMAHA/FZ8の前後タイヤ交換です(^-^)

原付から大型バイクまで、国内メーカーはもちろん海外メーカーバイクでも可能な限りは、ご対応させて頂きます!!

ストラテジーは「頼りになる街のバイク屋さん」を目指し続けて今日も元気に営業しております(^-^)


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MT-03のO/H

■ 2024-10-21 12:26

 

 

MT-03のエンジンオーバーホールの内容について書いていきたいと思います。

分解をして傷等の確認は前回のブログで書いているので今回は組み上げるところを書かせて頂きます。

 

 

クランクケースについてるスライドメタルは少し傷が入っていたので、新品に交換しました。

 

右が今まで使用してたもので左が新品になります。

 


このメタルもクランクケースの識別番号とクランクシャフトやバランサーシャフトの識別番号の組み合わせによって使用するメタルが変わってくるので分解した後じゃないと注文することが出来ません。

 

 



メタルを交換した後はクランクシャフトやバランサーシャフトを組み込んでいきます。
この時、組み上げた後最初にエンジンをかける際傷が入らないようにするためワコーズのエンジン組み付け用ペーストを塗ります。

 

 


 

 


その後、クランクケースの上下を組み付け規定トルクで規定の順番で締め付けていきます。

 

 



この作業が結構重要でトルクがバラバラだったり順番を間違えたりすると、クランクケースが少し歪んでしまい本来のパワーが発揮できなくなってしまうので慎重に作業していきます。

私はこのタイプのトルクレンチが感覚的にも均等にトルクをかけやすい為エンジンを組み上げる時はこれを使用しています。

次はコンロッドを組み付けます。
ここもメタルが使用されてるので交換します。
この時もペーストを使用します。

 

 

 

 

本来であればあまり気にすることはないのですが、今回の作業が競技車両ということもあり、シリンダーのボア径とピストンの径を精密に測り1番シリンダーと2番シリンダーどちらの方とピストンの相性がいいかを考えて割り振りました。

 

 


ピストンリングの組付け角度はメーカーで指定があるので従って組付けていきます。

シリンダーを入れる際にリングが回ってしまわないように気を付けながら入れていきます。

 



この車両ではもう一つパワーを上げるためにバルブシートカットを行いました。
バルブが閉じたときにしっかりと密閉できるように丁寧に削っていきます。

 



また、年に1回エンジンメンテナンスする予定の車両なので今回は密閉率は上がる代わりにバルブシートの消耗が早くなってはしまうのですが、パワー重視でセッティングをしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 


バルブシートカットを行いバルブを組み付けた後ちゃんと密閉できているかオイルを入れて1日放置して確認します。

 

 

 



テストの結果しっかりと密閉できていたのでこのまま組付けていきます。

エンジンのヘッドもクランクケースと同様、締め付けトルクや締め付け方でシリンダーの円の形やシリンダーとヘッドの面の当たり方が変わってしまう為ここも慎重に組付けていきます。

その後はタペットクリアランスを計測して規定値内に収めるのですが、ジムカーナの走行では低速を使うことが多いので規定値内の中でもなるべくクリアランスが広くなるようにセッティングしていきます。

 

 

 



最後に、クラッチなどを組み付けて完成になります。

 

 

 

 

 


後日、練習場にて乗らせてもらったのですが以前よりもパンチも出て排気音もメリハリのある音になりました。

 

エンジンオーバーホールをした後の動画を張らせて頂きますので、参考にしてみてください。

 

エンジンO/H前

 


エンジンO/H後

 

 

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