ブログ:修理・メンテナンス

MT-03のO/H

■ 2024-10-21 12:26

 

 

MT-03のエンジンオーバーホールの内容について書いていきたいと思います。

分解をして傷等の確認は前回のブログで書いているので今回は組み上げるところを書かせて頂きます。

 

 

クランクケースについてるスライドメタルは少し傷が入っていたので、新品に交換しました。

 

右が今まで使用してたもので左が新品になります。

 


このメタルもクランクケースの識別番号とクランクシャフトやバランサーシャフトの識別番号の組み合わせによって使用するメタルが変わってくるので分解した後じゃないと注文することが出来ません。

 

 



メタルを交換した後はクランクシャフトやバランサーシャフトを組み込んでいきます。
この時、組み上げた後最初にエンジンをかける際傷が入らないようにするためワコーズのエンジン組み付け用ペーストを塗ります。

 

 


 

 


その後、クランクケースの上下を組み付け規定トルクで規定の順番で締め付けていきます。

 

 



この作業が結構重要でトルクがバラバラだったり順番を間違えたりすると、クランクケースが少し歪んでしまい本来のパワーが発揮できなくなってしまうので慎重に作業していきます。

私はこのタイプのトルクレンチが感覚的にも均等にトルクをかけやすい為エンジンを組み上げる時はこれを使用しています。

次はコンロッドを組み付けます。
ここもメタルが使用されてるので交換します。
この時もペーストを使用します。

 

 

 

 

本来であればあまり気にすることはないのですが、今回の作業が競技車両ということもあり、シリンダーのボア径とピストンの径を精密に測り1番シリンダーと2番シリンダーどちらの方とピストンの相性がいいかを考えて割り振りました。

 

 


ピストンリングの組付け角度はメーカーで指定があるので従って組付けていきます。

シリンダーを入れる際にリングが回ってしまわないように気を付けながら入れていきます。

 



この車両ではもう一つパワーを上げるためにバルブシートカットを行いました。
バルブが閉じたときにしっかりと密閉できるように丁寧に削っていきます。

 



また、年に1回エンジンメンテナンスする予定の車両なので今回は密閉率は上がる代わりにバルブシートの消耗が早くなってはしまうのですが、パワー重視でセッティングをしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 


バルブシートカットを行いバルブを組み付けた後ちゃんと密閉できているかオイルを入れて1日放置して確認します。

 

 

 



テストの結果しっかりと密閉できていたのでこのまま組付けていきます。

エンジンのヘッドもクランクケースと同様、締め付けトルクや締め付け方でシリンダーの円の形やシリンダーとヘッドの面の当たり方が変わってしまう為ここも慎重に組付けていきます。

その後はタペットクリアランスを計測して規定値内に収めるのですが、ジムカーナの走行では低速を使うことが多いので規定値内の中でもなるべくクリアランスが広くなるようにセッティングしていきます。

 

 

 



最後に、クラッチなどを組み付けて完成になります。

 

 

 

 

 


後日、練習場にて乗らせてもらったのですが以前よりもパンチも出て排気音もメリハリのある音になりました。

 

エンジンオーバーホールをした後の動画を張らせて頂きますので、参考にしてみてください。

 

エンジンO/H前

 


エンジンO/H後

 

 

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MT-03エンジンO/H

■ 2024-06-06 09:57

ストラテジー中央店に勤務しております。
藤澤秀吉とです。

今回は競技車両のMT-03のエンジンをオーバーホール&チューニングをする機会がありましたので、ブログでまとめさせて頂きました。


少し長くはなりますが、最後まで読んで頂けると幸いです。

まず今回エンジンオーバーホールをする事になった経緯なのですが、オーナー様からカムチェーンの緩んだような異音がするといった事を伺った事がきっかけでした。
MT-03の走行距離は7005キロで競技に使った期間は1年の距離にして1000キロ程でした。

 

 

MT-03はカムチェーンテンショナーが少し弱いといった持病があるようですが、結果から言うと今回の異音の原因はカムチェーンの音ではなくシリンダーとピストンのクリアランスが広がってピストンが首振りしてしまって起こるノッキングが原因でした。

 


なぜ、7000キロでシリンダーがやせてしまったかというとオイルの選択ミスだと思われます。

もちろん競技で使っている車両なのでそれだけで消耗は早くなってしまうのですが、プラスでオイルと車両の相性があっていなかったり競技での環境に耐えられないオイルが入っていたことにより消耗が加速したと思われます。

 

 

オイルパンにはスラッジが多く残っている状態でした。

あまり使ったことのないオイルでツーリング等では問題が起きない場合もありますのでオイルの銘柄の公表は控えさせていただきます。

 

オイルの選択なのですが、オイルメーカーはほとんどオイルの内容を公表していませんのでどのメーカーを信じて使うかになってしまいます。

同じメーカーの中でもいろいろな種類のオイルがありますのでその選び方について私の意見を書かせて頂こうと思います。

 

今回はメーカーの方とも直接話をさせて頂いたり普段から自分のバイクや車に使用しているオイルでどういった特性を持っているかを知っているワコーズのオイルの種類で説明させて頂きたいと思います。

他のメーカーでも当てはまるところは多いと思いますので参考にしてみてください。

 

まず、オイルで重要なことは使い道にあったオイルを選ぶということです。

高いオイルが必ずしもどんな場面でもいいオイルということではありません。

高いオイルでも高回転でパワーを上げるために開発されたオイルは性能はいいのですが、すぐにオイルを交換しないとパワーが出なかったり最悪の場合エンジンを傷つけてしまったりする可能性があり基本的に500キロも走らずに交換しないといけないようなオイルもありコストがかなりかかってしまいます。

ツーリング等で使用する場合はメーカーの純正オイルやストリートスペックオイルの方が長く持ちエンジンに良かったりもします。

 

ここからはワコーズにどういったオイルの種類があるかを書かせて頂きます。

 

まずは、一番コストの低いプロステージS
PRO-S プロステージS - 新製品・おすすめ製品 | WAKO'S - 株式会社和光ケミカル

プロステージSはストリート向けのオイルとなっております。

熱への強さやフィーリングが特別いい訳では無いですが、スクーターからスーパースポーツに使用しても交換推奨の目安までしっかりと粘度を保っております。

また、アイドリング時のエンジン音も静かで高回転をずっと使用する使い方でなければとてもおススメできるオイルだと思います。
逆に言うと高回転でずっと回しているとすぐにサラサラになってしまう印象です。
自分の乗っているキャラバンに入れて7000㌔走行したのですが、粘度を保っておりました。


次に、スプリントレース等で使用されることの多い4CR
4CR フォーシーアール - 新製品・おすすめ製品 | WAKO'S - 株式会社和光ケミカル
4CRはお金をかけてでも高回転域でピークパワーを求めたい方にお勧めのオイルとなっております。
価格も高くオイルの持ちもジムカーナで2~3日走ってしまうと交換しないといけないほどでコストはめちゃくちゃかかってしまいます。
また、油膜が薄いオイルとなってますので低速域ではエンジンによっては吹き抜け易くなってしまいトルクが出にくい事もあります。
その代わり高回転域では抵抗が少なくめちゃくちゃ回ってくれます。
また、低速域でのアクセルに対してのツキも良く開けた瞬間に前に出てくれる印象です。
自分がCBR1000RRに入れた時は他のオイルでは9000回転あたりから少し詰まったような加速だったのですが、4CRだと9000回転からもスムーズになって吹け上がりが良くなりました。
大型バイクでのジムカーナにはコスト的にも特性的にも少し不向きでしたが、高回転を使う小排気量だと特性的にありなのかなと思いました。


最後に、レースでも使用できて粘度をよく保ってくれるRRR
TR トリプルアール
RRRは低速から高回転までバランスよく回ってくれるオイルで、4CRみたいに高回転でめちゃくちゃ回るようなオイルではないですが、全体的にパワーが出てくれるので扱いやすいオイルの印象です。
バイクでのシフトフィーリングは新油の4CRには劣りますが、それでも入りやすく粘度の持ちも良くシフトな入りやすさが持続してくれます。
低速域でのアクセルのツキもワンクッションあるような感じで開け始めが程よく付いてきてくれるので私は扱いやすいと感じました。
私が競技で使用してるCBRはトリプルアールを使用しておりますが、低回転域で油圧が掛かりにくいところから高回転域を繰り返し使用していてもトラブルも起きず、オイル交換時の粘度もしっかりと残っていて鉄粉等が混じっていたりもしないので信頼しているオイルです。
ただ、価格が高いのでそこに関しては悩ましいところですが、その分いい性能を長く保ってくれてエンジンの保護もしてくれるので価格以上の働きはしてくれてると思って使用しています。

他にもワコーズのオイルはありますが、私がまだ使用した事のないオイルですので使用する事があればまたブログで詳しく書かせて頂きたいと思います。

次のブログではMT-03のエンジンオーバーホールについて書いていこうと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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タイヤ交換キャンペーン

■ 2023-10-08 14:55

福岡市でバイクのタイヤ交換ならお任せ下さい☆

 

今日は昼間でも長袖で丁度良い気温の福岡市です♪

少し肌寒くはなりましたが、これからがツーリングにはもってこいの季節ですね(^-^)

 



こちらはハーレーダビットソン/スポーツスターXL1200Xフォーティエイトのタイヤ交換作業になります♪

ストラテジーは九州運輸支局認証工場を完備しておりますので、原付はもちろん大型バイクまでタイヤ交換作業が可能です(*^^)v



フォーティエイトのタイヤはかなり太いので苦労しますが、スナップオン製のタイヤ・チェンジャーも完備しておりますのでスムーズに完了しました♪

タイヤ交換の際にも締め付けトルク管理や各部のグリスアップなどおこなっております。

締め付けトルク管理は、緩すぎると危険なのはもちろん、締めすぎると足回りの動きが鈍くなったり他の部品を痛める事になるので大切な作業です。



原付のタイヤはある程度の車種に対応できる様に各店舗で在庫をしております。

急なパンクでタイヤ交換が必要な時でも、可能な限り迅速にご対応させて頂いております☆

50ccスクーターのタイヤ在庫の銘柄はダンロップ/D307がメインです。

安いだけのタイヤだと、結局長持ちしない物もあったり、ひどいものでは走行中にタイヤがズレてしまう事もあります(>_<)

タイヤだけでなくエンジンオイルなども、お客様の事を第一に考えて安心できる商品を在庫しております。

当店以外でご購入されたバイクでもお気軽にご依頼下さい(^-^)



中型車以上のタイヤは常備しておりませんが、LINEやお電話でお問合せして頂ければ

ご注文

タイヤ代のお支払(振込またはご来店)

タイヤ到着連絡(ご来店日時のご予約)

タイヤ交換作業

以上の流れで、タイヤ交換まで完了致します(^-^)

もちろんお見積もりだけでもお気軽にお問い合わせ下さい☆
その際に、車種によってもサイズが異なる場合がございますので、、車種名と車台番号(車検証や自賠責証に記載)をお知らせください。



そして、本日10/8日から12月末までの間で『LINEでタイヤ交換予約システム』でタイヤ交換のご予約を頂いたお客様は、タイヤ一本につき「工賃1000円OFF(税込)」とさせて頂きます☆

この機会に是非ともストラテジーの『LINEでタイヤ交換予約システム』をご利用下さいませ(^-^)

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ジェイド/キャブレターO/H

■ 2023-10-02 15:55

福岡市の「頼りになる街のバイク屋さん」を目指しています☆

 

お昼はまだ少し暑さが残りますが、夜は長袖じゃないと少し寒いくらいになりましたね。

ツーリングするには一番心地が良い季節♪

皆様もご安全にバイクを楽しんで下さいね(^-^)



こちらは市外のお客様よりご入り頂いている、不良修理のHONDA/JADEです。

色々を気になる点があるとの事なのですが、まずはエンジン不調の原因から探っていきます。

始動性やアイドリングなど確かに好調とは言えない感じでした。

 



まずは基本的な消耗品の点検で、そもそもが正常な状態にあるのかを点検します。

バイクは、ユーザーの方もDIY整備をする事が多いので思わぬ点が正常でない事や違う部品が使用されている事が多いので大事な点検です。(一般の方がDIY整備を楽しむ事は良い事です♪)

 

エアクリーナーエレメントは問題なし、プラグは番手は問題なかったのですが、やっぱり正常な焼け色ではありませんでした。



そしてキャブレターもきちんとついていませんでした(>_<)

以前の整備した方が、整備士ではないかもしれないと推測できます。

症状的からすると、経験からキャブレターが一番怪しいとは始めから感じていましたが、分解する前にできる限りの確証をもってから、お客様に分解の許可を取る様にしております。

 

無駄に作業を行うと、お客様にとっても整備士にとっても無駄しかないと考えているので心がけています☆



キャブレターを車体から取り外して各部を点検していきます。

年式が古いのでひどく汚れている事を想像していたのですが中身はキレイでした♪

他に原因があるはずなので探っていきます。

 



スロットルバルブのダイヤフラムが全て破けていました…(>_<)

これではまともには走れないバイクだと思います。

全てのダイヤフラムを挟み込んでから組み上げてしまっていたので、やはり知識が少ない方が組み上げたのだと思います。



エアクリーナー側のファンネルもすべてが潰れた状態に…

年式が古いのでその間に、かなりおおざっぱな方が整備したのだと思います。

インシュレーターは触った時にかなり材質が柔らかく、バンドを閉めている状態でも抜けてしまいました。

おそらく純正ではない物が使用されていましたので、純正をオーダーさせて頂きました。

やはり質感も全然違います☆

これで2次エアの心配もないと思います(^-^)



メインジェットやスロージェットも少し見た事がないパーツが使用されていたので、安心のメーカーさんのキャブレター・リペアキットを使用して組み上げました。

純正パーツは廃盤も多いので、信頼できるメーカーの商品や中古品を探してご対応をさせて頂きました。



そしてキャブレターを組み上げて同調をとります!

入庫してエンジンをかけたときに、かなり同調が狂っていると感じました。



左右でキレイにズレていました(>_<)

同調がズレていると、きれいにアイドリングに落ち着かないので何か気持ち悪い感じです。

 



ビシッと合わせました(*^^)v

気持ちの良い吹け上りとアイドリングまでの回転の落ち方が気持ちいいです♪

気持ちが良いのでついついレーシングしてしまいます( *´艸`)

後は試乗してから、他にも車体廻りで気になる点があるとの事でしたので、更に点検をおこなって行きたいと思います。

インナーチューブやオイルシールを交換したばかりだと聞いていた、フロントフォークからのオイル滲みも気になります…

インナーチューブも社外品が使用されていました。

全ての社外品が駄目だという事はないのですが、様々なパーツがネットで販売されている現代では良否を見極める事が必要ですね。

見た目は同じでも、その性能や品質はかなりの差があります。値段もですが…

パーツ購入時にもお気軽にご相談下さい☆

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DUCATIタイミングベルト

■ 2023-09-25 14:34

福岡市でドゥカティのタイミングベルト交換ならお任せ下さい☆

 

段々と秋の気候になってきましたね♪

最近の秋は短いので今の内にツーリングなど楽しみたいところですね!



今回はDUCATI/スクランブラー1100スポーツのタイミングベルト交換の様子です☆

作業ミスをしてしまうとエンジン破損にもつながるリスクが高い作業です(>_<)

 

もちろん、ミスをしたことはありません(*^^)v


 

ディーラーさんでも使用しているTTCと言う特殊工具を使用してベルトをはじいた時の周波数を正確に合わせます。

使い方にも少しコツがいりますが、しっかりと行う事で正確なテンションに調整できます。



「大体でも壊れない」との意見も聞きますが、理解はできますが余計なテンションをかけるとエンジン性能や寿命には悪影響です。

正確な値に整備する。

それがプロの整備士の仕事だと私は考えています。



例えば空気圧もご指定がなければ基準値が大事です♪

バイク車検やタイヤ交換もご依頼頂いておりました☆新品タイヤは気持ちが良いですね~(^-^)

警告ランプも点灯していたので「TEXA」を使用して解決(*^^)v

当社には国内モデルはもちろん、ハーレーダビットソンやKTMなどにも対応した診断機を完備しております。

当店以外でご購入されたバイクでもお気軽にご相談下さい☆



スクランブラー800もタイミングベルトの交換ご依頼を頂いておりました☆

ストラテジーでは「どんなバイクにも対応できるメカニックになりたい!」との想いでスタッフ一同取り組んでおります。

部品やサービスデーターが入手できない場合以外は可能な限りご対応させて頂きます。

創めて整備するバイク等はお時間を頂く事もありますが、お困りの際には是非ともストラテジーにご相談下さい(^-^)

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